Dify 使い方・ノーコードAIアプリ開発ガイド【2026年版】
オープンソースのノーコードAI開発プラットフォームDifyの料金・機能・始め方を解説する。RAG・ワークフロー・エージェント構築の具体的な手順と、FlowiseやLangFlowとの違いも整理した。
3行まとめ
- Difyはオープンソースのノーコードプラットフォームで、AIチャットボット・RAGアプリ・エージェントをドラッグ&ドロップで構築できる
- クラウド版は無料(200メッセージ/月)から、セルフホストならオープンソースライセンスで無料利用可能
- GitHub 13.8万スター・800以上のコントリビューター・100以上のモデルに対応し、個人から企業まで幅広く使われている
Difyとは何か
Dify(ディファイ)は、AIアプリケーションをノーコードで構築・運用できるオープンソースプラットフォームだ。LangGenius社が開発しており、GitHubで13.8万以上のスターを獲得している。
コードを書かずに以下のようなAIアプリを作れる。
- チャットボット:カスタマーサポートや社内FAQ対応
- RAGアプリ:自社文書をAIに読ませて質問応答させるシステム
- AIエージェント:複数のツールを使って自律的にタスクを実行するシステム
- ワークフロー:複数のAI処理を順番に実行するパイプライン
GitHubの統計によると、2026年6月時点で800以上のコントリビューター、100万以上のデプロイ済みアプリ、18万以上の開発者が利用しているとされる。
料金プラン比較(2026年6月時点)
Dify公式の料金ページに基づく。
| プラン | 月額 | メッセージ上限 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| Sandbox(Free) | $0 | 200/月 | 基本機能、お試し用 |
| Professional | $59/月 | 5,000/月 | カスタムブランド、優先サポート |
| Team | $159/月 | 10,000/月 | 複数メンバー、権限管理 |
| Enterprise | 要問い合わせ | カスタム | SSO、SLA、専用サポート |
セルフホストという選択肢
Difyの大きな特徴は、セルフホスト(自社サーバーで運用)が可能な点だ。オープンソースライセンスで公開されているため、Docker Composeで自分のサーバーに立ち上げれば、メッセージ数の制限なく無料で使える。
# セルフホストの基本手順
git clone https://github.com/langgenius/dify.git
cd dify/docker
cp .env.example .env
docker compose up -d
セルフホストの場合、LLMのAPI料金(OpenAI、Anthropic等)は別途かかる。また、サーバーの運用保守は自己責任になる。
主要機能
RAG(Retrieval-Augmented Generation)
自社の文書(PDF・テキスト・Webページ等)をアップロードし、AIが参照できるようにする機能。Difyでは以下のRAG機能が使える。
- ハイブリッド検索:キーワード検索とベクトル検索を組み合わせて精度を高める
- リランキング:検索結果をさらにAIで並べ替え、関連性の高い文書を上位に出す
- チャンク設定:文書を分割するサイズや方法をカスタマイズできる
ワークフロービルダー
ドラッグ&ドロップで、複数のAI処理ノードを接続してワークフローを構築する機能。
たとえば「ユーザーの質問を受け取る → 関連文書を検索する → 回答を生成する → 回答の品質を評価する」という一連の処理を、視覚的に組み立てられる。
条件分岐(if/else)、ループ、HTTP呼び出し、コード実行ノードなども使えるため、単純なチャットボットだけでなく複雑な業務ロジックも組める。
エージェント機能
AIエージェントを構築する機能。LLMにツール(Web検索・計算・API呼び出し等)を持たせ、ユーザーの指示に応じて自律的にツールを選択・実行させる。
MCP対応
Anthropicが策定したModel Context Protocol(MCP)に対応しており、MCP対応の外部ツールをDify上のエージェントやワークフローに接続できる。
100以上のモデル対応
以下のモデルプロバイダーに対応している。
| プロバイダー | 主要モデル例 |
|---|---|
| OpenAI | GPT-4o, GPT-4.5 |
| Anthropic | Claude Opus 4, Sonnet 4 |
| Gemini 2.5 | |
| DeepSeek | DeepSeek V3 |
| Mistral | Mistral Large |
| Meta | Llama 4 |
| Ollama | ローカルモデル全般 |
APIキーを設定するだけで、これらのモデルを切り替えて使える。
始め方 — 最初のチャットボットを作るまで
クラウド版の場合
- dify.ai でアカウント作成
- 「アプリを作成」→「チャットボット」を選択
- 使用するLLMモデルを選択(APIキーを事前に設定)
- システムプロンプトを設定(例:「あなたは〇〇の専門家です」)
- ナレッジベースに文書をアップロード(RAGを使う場合)
- テストチャットで動作確認
- 公開(Web埋め込みコードまたはAPI)
RAGアプリの具体例
社内マニュアルの質問応答ボットを作る場合:
- 「ナレッジ」から社内マニュアルのPDFをアップロード
- チャンク設定(推奨:500〜1000トークン、重複100トークン)を調整
- チャットボットのアプリを作成し、ナレッジベースを接続
- システムプロンプトに「社内マニュアルの内容のみに基づいて回答してください。マニュアルに記載がない質問には『マニュアルに記載がありません』と答えてください」と設定
- テストして回答精度を確認
Flowise・LangFlowとの比較
Dify Hostingの比較情報を参考に整理する。
| 比較項目 | Dify | Flowise | LangFlow |
|---|---|---|---|
| GitHubスター | 138K+ | 約40K | 約25K |
| UI完成度 | 高(非エンジニア向け) | 中程度 | 中程度 |
| RAG機能 | ハイブリッド検索+リランキング | 基本的な検索 | カスタマイズ性高い |
| セルフホスト | 可能 | 可能 | 可能 |
| クラウド版 | あり(無料枠あり) | あり | あり |
| 拡張性 | プラグイン、API | ノード追加 | Python拡張 |
| 想定ユーザー | 非エンジニア〜エンジニア | ノーコードユーザー | 開発者 |
Difyが向いているケース:非エンジニアがAIアプリを作りたい場合。RAG機能が充実しているため、社内文書活用のユースケースに強い。
Flowiseが向いているケース:よりシンプルなUIでチャットボットを素早く作りたい場合。学習コストが低い。
LangFlowが向いているケース:Pythonで独自の処理を組み込みたい開発者向け。拡張性が高い。
正直に書くと
- Difyの「100万以上のデプロイ済みアプリ」「18万以上の開発者」という数字はGitHubリポジトリの記載によるが、「デプロイ済みアプリ」の定義(テスト用含むか等)は不明
- クラウド版の無料プラン(200メッセージ/月)は評価用であり、実用にはProfessional以上が必要。セルフホストの場合はサーバー費用とLLM API費用が別途かかる
- RAGの回答精度は、アップロードする文書の品質・チャンク設定・使用モデルに大きく依存する。「入れれば答える」というものではなく、調整が必要
- ノーコードとはいえ、ワークフローやエージェントの設計にはAIの基本的な仕組みの理解が求められる
関連記事:ノーコードAIエージェントでメール・カレンダーを自動化 関連記事:AIエージェントとは?仕組みと活用事例
出典・但し書き
本記事は2026年6月19日時点の情報に基づく。料金情報はDify公式の料金ページ、統計情報はGitHubリポジトリの記載、比較情報はDify Hostingの分析による。オープンソースプロジェクトのため機能は頻繁に更新される。セルフホスト版の利用にはDocker環境が必要。
📎 出典・一次ソース
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