2026年6月21日 日曜日
AI時短ラボ
検証· 約17

ChatGPT・Gemini・Claude・Copilot──企業が選ぶべきAIツールはどれか(2026年6月版)

コーレ調査でChatGPT 57.7%、Gemini 39.3%、Copilot 30.3%。4大ツールの料金・セキュリティ・API・得意分野を企業導入の視点で比較した。2026年6月20日時点。

2026年6月20日時点の情報に基づく。料金・機能は各社の発表により変動する可能性がある。

コーレ株式会社が管理職1,008名を対象に実施した調査(2026年1月)によると、企業で利用されている生成AIはChatGPT(OpenAI系)57.7%、Gemini(Google系)39.3%、Microsoft Copilot 30.3%の順だった。Claudeは同調査の選択肢に含まれていない。4つのツールは得意分野が異なり、「どれが優れているか」ではなく「何に使うか」で選択が分かれる。

3行まとめ

  1. コーレ調査(2026年1月・管理職1,008名)でChatGPT 57.7%、Gemini 39.3%、Copilot 30.3%──企業の生成AI利用は文書作成63.1%、情報収集・要約51.4%が上位
  2. 料金はCopilotが「M365ライセンス+月額$30」で実質コストが高く、Geminiは Workspace統合で追加費用なしの構成も可能──見かけの月額だけで比較すると判断を誤る
  3. セキュリティは4社ともSOC 2 Type II取得済み・HIPAA対応可だが、対応範囲と条件が異なる──自社の規制要件に照らして個別に確認が必要

4ツールの料金比較

2026年6月時点の公開情報に基づく。Enterprise契約は各社とも個別交渉制のため、ここに示す金額は報道・比較サイトの集計値であり、実際の契約額とは異なる場合がある。

個人・小規模チーム向け

ツール 無料枠 個人有料プラン 上位プラン
ChatGPT あり Plus $20/月 Pro $100/月、Pro $200/月
Gemini あり Google One AI Plus $7.99/月 AI Pro $19.99/月
Claude あり(制限付き) Pro $20/月 Max 5x $100/月、Max 20x $200/月
Copilot あり(Bing/Edge統合) M365 Personal $19.99/月(Copilot含む)

ChatGPT Plus・Claude Proは同じ$20/月。Gemini AI Proは$19.99/月。Copilotは2025年末にCopilot Proを廃止し、M365サブスクリプションへの統合に移行している(Copilot Pro既存契約者は2026年8月まで利用可能との報道あり)。

企業向け

ツール チーム/ビジネス エンタープライズ 備考
ChatGPT Business $20/席/月(年契)〜$25(月契) 個別交渉(報道では$25〜60/席/月) 150席〜、年間契約必須
Gemini Workspace統合(追加費用なし) 大規模向けアドオン $10〜22/席/月 2025年にWorkspace全プランへ統合
Claude Team Standard $25/席/月(月契)〜$20(年契) 個別交渉(報道では$20〜60/席/月) Team最低5席、Enterprise最低50席
Copilot Business $18/席/月(プロモ)〜$21 M365 Copilot $30/席/月 別途M365ライセンス(E3: $36〜/席/月)が必要

Copilotの注意点として、$30/席/月はアドオン価格であり、前提となるM365 E3/E5ライセンスを含めると実質$66〜90/席/月になる。すでにM365を導入済みの企業にとっては追加$30だが、新規導入なら総コストが跳ね上がる。

Geminiは2025年以降、Workspace全有料プランにAI機能を標準搭載する方針に転換した。Workspace Business Standard($14/席/月)を契約すればGmailやDocs内でGeminiが使える。大規模組織向けのアドオン(長いコンテキストウィンドウ等)は別途交渉。

API料金(入力トークンあたり・代表モデル)

モデル 入力 出力
GPT-4o $5/100万トークン $15/100万トークン
Gemini 2.5 Pro $1.25/100万トークン $10/100万トークン
Claude Opus 4 $15/100万トークン $75/100万トークン
Claude Sonnet 4 $3/100万トークン $15/100万トークン

IntuitionLabsの比較によると、API単価ではGeminiが低く、Claude Opusが高い。ただしAPI料金だけで「安い・高い」を判断するのは早計で、タスクごとの出力品質・必要トークン数・リトライ率を含めた実運用コストで評価する必要がある。

セキュリティ・コンプライアンス比較

項目 ChatGPT Enterprise Gemini Enterprise Claude Enterprise Copilot for M365
SOC 2 Type II 取得済み 取得済み(Google Cloud) 取得済み 取得済み(Microsoft)
ISO 27001 取得済み 取得済み 取得済み 取得済み
HIPAA BAA Enterprise契約で対応 Google Workspace BAA内 Enterprise契約で対応 M365 BAA内
SSO/SAML 対応 Google Workspace統合 SAML/OIDC対応 Azure AD統合
SCIM 対応 Google Workspace統合 対応 Azure AD統合
データ保持 管理者が設定可・ZDR対応 Google Cloud契約に準拠 管理者が設定可 M365ポリシーに準拠
暗号化 AES-256(静止時)/TLS 1.2+(転送時) Google Cloud暗号化 AES-256/TLS 1.2+ Microsoft暗号化基盤

4社ともSOC 2 Type IIを取得しており、HIPAAについてもBAA(Business Associate Agreement)の締結により対応可能としている。ただし「SOC 2取得=自社の要件を満たす」ではない。医療・金融・公共セクターなど規制産業では、データ所在地(リージョン指定)、ログ保持期間、サブプロセッサーの管理体制など、契約書レベルでの確認が必要になる。

GeminiとCopilotは、それぞれGoogle WorkspaceとMicrosoft 365のセキュリティ基盤に乗る構造のため、すでにどちらかを企業標準として導入している場合、追加のセキュリティ審査が不要になるケースがある。

得意分野の比較

ChatGPT──汎用性と認知度

ChatGPTが企業利用率57.7%でトップにある背景には、GPTsによるノーコードのカスタムAI構築、プラグインによる外部サービス連携、そして「社員が個人で使い慣れている」という認知度の高さがある。コーレ調査で活用業務1位が「文書作成(63.1%)」であることと合わせると、汎用的な文書業務にChatGPTが選ばれている構図が見える。

GPT-5.4(Pro $200プラン)は100万トークンのコンテキストウィンドウを持つと報じられており、大量文書の一括処理が必要な場面では選択肢に入る。

Gemini──Google Workspace統合と長文処理

Geminiの強みは2つ。第一に、Gmail・Docs・Sheets・Slides・Meetといった業務ツール内でAIが動く点。すでにGoogle Workspaceを使っている企業にとっては、新しいツールを導入する手間がない。第二に、200万トークンという長いコンテキストウィンドウ。書籍1冊分のPDFや長大な議事録を一度に処理できる。

API料金が4社中で低い点も、大量処理を行う開発チームには有利に働く。

Claude──コーディングと正確な長文生成

複数の比較記事が、Claudeをコーディング支援と技術文書・法務文書の生成で高く評価している。Anthropicが公表するベンチマークでもコーディングタスクでの成績が高い。Enterprise契約では50万トークンのコンテキストウィンドウが提供される。

Computer Use(PCの画面認識と操作の代行)が2026年時点で実用段階に入りつつあるとの報道があり、定型的なPC操作の自動化を検討している企業にとっては注目に値する。

Team契約ではStandard席とPremium席(Claude Code含む)を混在させられるため、開発者と非開発者が同じ組織内で異なるプランを使い分けられる。

Copilot──Microsoft 365との一体化

Copilotは、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsの中でAIが動く。M365を企業標準としている組織では、既存のワークフローを変えずにAIを導入できる点が強み。2026年にはCopilot for Sales・Service・Financeがエンタープライズ契約に標準バンドルされたと報じられている。

一方、M365ライセンスが前提となるため、Google WorkspaceやSlack中心の企業がCopilotだけを導入するのは現実的でない。

コーレ調査から見える企業の実態

コーレ株式会社の調査(2026年1月・PRIZMA経由のインターネット調査・管理職1,008名)から、企業のAI導入の現状が浮かび上がる。

項目 数値
活用業務1位:文書作成 63.1%
活用業務2位:情報収集・要約 51.4%
活用業務3位:アイデア出し 37.4%
導入目的1位:業務時間短縮 66.2%
課題1位:セキュリティ懸念 33.5%
課題2位:活用アイデア不足 26.0%
年間投資額の最多層 100万〜500万円未満(21.5%)

「使いこなせない層」として最も多く挙がったのが「課長・リーダー職」だった点は注目に値する。ツール選定だけでなく、導入後の定着支援──とりわけ中間管理職への教育──が課題として残っている。

用途別の選び方

特定のツールを推奨するものではない。以下は、公開情報と各ツールの設計上の特性に基づく整理。

すでにGoogle Workspaceを使っている企業 → Geminiが追加コストなしで使える。長文処理(PDF要約・議事録分析)が主な用途ならAPI料金面でも有利。

すでにMicrosoft 365を使っている企業 → CopilotがWord・Excel・Teams内で動くため、新しいツールの学習コストが低い。

コーディング支援や技術文書の生成が主な用途 → Claudeを評価する価値がある。Team契約でStandard/Premium席を混在できる柔軟性も開発組織に向く。

社員の認知度が高く、汎用的な文書業務から始めたい → ChatGPTは「社員がすでに使い方を知っている」という導入障壁の低さがある。GPTsによるカスタムAI構築も汎用性が高い。

複数ツールの併用 → コーレ調査のデータ(ChatGPT 57.7%とGemini 39.3%の合計が100%を超える)が示すように、企業は複数ツールを併用している。用途ごとに使い分ける前提で評価するのが現実的。

筆者の実感──全ツールを使い分けている立場から

筆者はChatGPT・Gemini・Claude・Copilotの4つを日常的に使い分けている。軽い調べ物や雑多な質問はChatGPT、構成が複雑なコードや長い技術文書の生成はClaude、Google Docsでの共同編集中にはGemini、Excelの分析作業中にはCopilotという形で、自然と棲み分けが生まれた。

使い分けて感じるのは、「1つに統一すべき」という発想自体が企業のAI活用を狭めるということだ。コーレ調査で利用率の合計が100%を大きく超えているのは、多くの企業が同じ結論に達していることを示している。ツール選定の本質は「どれか1つを選ぶ」ことではなく、「どの業務にどのツールを当てるか」を決めることにある。

ただし、併用にはコストとガバナンスの負荷がかかる。4つ全部を全社員に配るのは予算的に非現実的なので、部門や職種ごとに主ツールを決め、必要に応じて個別に追加する形が落としどころになる。

出典・但し書き

出典

但し書き

  • 本記事は2026年6月20日時点の公開情報に基づく。各社の料金・機能は頻繁に変更されるため、契約前に各社の公式ページで確認されたい。
  • Enterprise契約の料金は個別交渉制であり、ここに示した金額は報道・比較サイトからの引用。実際の契約額は席数・契約期間・交渉内容により異なる。
  • コーレ調査の対象は「生成AIを導入済みの企業の管理職」であり、未導入企業は含まれていない。Claude(Anthropic)は同調査の選択肢に含まれておらず、利用率データがない。
  • 筆者はAnthropicのClaude有料プランの利用者であり、OpenAI・Google・Microsoftの有料プランも利用している。特定企業との利害関係はない。
  • セキュリティ・コンプライアンスの記載は公開情報の要約であり、法的助言ではない。規制産業での導入は、自社の法務・情報セキュリティ部門および専門家と確認の上で判断されたい。
シェア: ポスト はてブ

📎 出典・一次ソース

このニュースの解説動画も作っています

解説動画はYouTube、速報はX(旧Twitter)で毎日更新中。

コメント

まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?

AIについて聞きたいことはありますか?

質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。

質問箱を見る →

関連記事