業界· 約3分
不登校35.4万人にAIが届いているのは3.7% — ICT出席扱いの現在地
不登校の小中学生は過去最多の35.4万人。ICT活用で出席扱いになっているのは1.3万人(3.7%)。すららの認定率70%、戸田市のAI予測モデルなど、数字で見る日本の不登校×AI。
35万人と3.7%
文部科学省の令和6年度調査によると、日本の小中学校の不登校は35万3,970人。過去最多で、12年連続の増加。
このうちICT(オンライン学習ツール等)を活用して出席扱いになっているのは1万3,261人。全体の3.7%。
35万人のうち、テクノロジーが届いているのは3.7%しかいない。
機能しているツールはある
すらら — 出席扱い認定率70%
AIを活用した学習プラットフォーム「すらら」は、不登校の児童生徒がICTで学習した際に学校の出席扱いとして認定される率が70%。20自治体に導入されている(PR TIMES / すらら, 2025)。
出席扱いの要件は文科省のガイドラインで定められているが、認定の判断は学校・教育委員会に委ねられており、基準は自治体ごとに異なる。
戸田市 — AIで不登校を予測する
埼玉県戸田市では、PKSHA Technologyと連携してAIで不登校を予測するモデルを導入した。欠席・遅刻のパターン、学習態度の変化など複数の指標からリスクを予測し、早期に支援につなげる取り組み。
導入校の9割が「信頼性が高い」と評価した(東洋経済報道)。
予測できれば、不登校が長期化する前に手を打てる可能性がある。
なぜ3.7%しか届いていないのか
ツールはある。効果もデータで示されている。しかし35万人のうち96%以上に届いていない。
考えられる要因:
- 出席扱いの判断が学校・教育委員会に分散しており、統一基準がない
- ICTツール導入の意思決定は学校単位のため、管理職の理解度に左右される(スタディポケットのデータでは、管理職がAIを使う学校はヘビーユーザー教員が22.4%、使わない学校は13.8%)
- 不登校の原因は多様であり、ICTだけでは対応できないケースも多い
- 機器・通信環境の整備状況にばらつきがある
但し書き
- 「ICT出席扱い」の基準・運用は自治体ごとに異なる
- すららの「認定率70%」はすらら利用者を対象としたデータであり、全不登校児童生徒に対する数字ではない
- 戸田市のAI予測モデルの精度(感度・特異度)の数値は報道では非開示
- 不登校の原因は学業不振、人間関係、家庭環境など多岐にわたり、AIやICTで解決できる範囲は限定的
- 記事中の数字はすべて2026年6月時点
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